大川キャンパス

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2018年度韓国テグハニ大学臨床病理学科受入研修を実施しました

1月24日(木)から30日(水)にかけて、韓国協定校であるテグハニ大学臨床病理学科の学生28名、引率教員2名が大川キャンパスで研修を行いました。本研修は、座学で日本の医療制度を学び、日本の臨床検査技師の役割や最新の医療機器を、グループ関連病院・施設の見学を通して実際に見て学べるプログラムとなっており、2015年度の開始から数え、今年度で4回目を迎えます。
初日はオリエンテーションやキャンパスツアー、歓迎夕食会で始まり、2日目から講義や実習、病院見学、学生交流を実施しました。なかでも、遺伝子検査実習、また2017年に高木病院との連携により本学が開設した福岡シミュレーション医学センターでの実習は、韓国の学生にとって充実した教育環境に触れる機会となり、積極的に学ぶ姿勢が見受けられました。


  • 1月24日(木)に大川リバーサイドホテルにて歓迎夕食会を開きました。日韓の先生方と学生とが夕食をとりながら、文化の違いや日本の食文化に興味を持ち、交流を楽しんでいました。
  • 1月25日(金)に日本の臨床検査技師の教育制度をテーマに、医学検査学科の森山良太助教が特別講義を行いました。韓国学生は、日韓の臨床検査技師の役割や領域の違いを知り、とても興味深い講義だったようです。
  • 1月26日(土)には日韓学生交流プログラムとして、太宰府観光へ行きました。4グループに分かれ、それぞれ日本の文化に触れながら、コミュニケーションを図り、日韓交流を楽しみ親睦を深めていました。
  • 1月28日(月)の午前中にMRSA同定のためのmecA遺伝子解析をテーマに、医学検査学科の佐藤謙一准教授による特別実習が行われました。ここ数年日本で遺伝子検査による診断が発展していることを韓国学生により理解してもらうため、遺伝子検査の分類や検査の基本的な手順、PCR(Polymerase Chain Reaction)や電気泳動法を用いた遺伝子の増幅・抽出の方法など詳しく説明しました。
  • 前半の講義を踏まえて、遺伝子検査実習を行っている様子です。韓国学生はまだ学んでいない内容だったようでしたが、先取りして学ぶことができ、大変記憶に残る実習になったようです。
  • 1月28日(月)の午後には、2グループに分かれ、高木病院と福岡山王病院の見学実習を行いました。本学に隣接する高木病院では、福岡シミュレーション医学センターで、医学検査学科の澁田樹助教より施設概要の説明と、センター内のシミュレータ機器を用いた体験学習を行いました。写真はフィジカルアセスメント「Physiko」を使用し、生理検査の基本的手技訓練を行っている様子です。韓国学生は高性能なシミュレータを用いた実習はこれまで行ったことがないようで、大変興味深かったようです。
  • 超音波実習を行っている様子です。臨床検査技師は正確で迅速な病気の診断や分析、評価が求められるため、質の高い臨床シミュレータ機器を用いた手技の反復訓練は大変効果的です。写真は「バイメディックス産婦人科モジュール」という機器で、胎児・母体の解剖学的評価のトレーニングはもちろん、胎児を徐々に成長させることにより、妊婦周期の評価も可能なシミュレータです。実際に体験した学生は「このような実習は初めてでとても新鮮だった」と興奮した面持ちで語っていました。
  • 1月29日(火)に修了式を行いました。講義と実習を通して、日本医療の現状や制度、専攻分野について多くを学び、とても充実した研修になったようです。

修了式後に、本学の医学検査学科の学生が中心となり歓送会を開きました。日本学生はたこ焼き作りやちらし寿司など日本の食文化を韓国学生に教えながら、またゲームも交えて、本研修最後の日韓交流を楽しんでいました。

約1週間という短い研修期間でしたが、講義・実習、施設見学と合わせ、文化交流を通して本学学生と親睦を深め合うことができ、とても有意義な時間を過ごせたようです。今後、日本を上回る早さで高齢化が進むと言われている韓国では、病気の予防や早期発見のために健康診断や人間ドックの需要が増加し、臨床検査技師は一層重要な存在になることが予想されます。今回の研修を今後に生かし、将来の韓国の医療分野を支え、活躍していただきたいと願っています。